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【上海香港9】中国入国「トランジットビザ免除制度」メモ

 

※以下の内容は2024/3の私のケースであって、時期や係官やケースによって対応は異なる可能性がありますので、参考程度としてご自身で準備対応をお願いします。

※中国の空港で不用意に写真を撮って誤解されないことを優先したので、画像は最低限のものしかありません。

※この記事の主な目的は自分自身の旅の記録と自己満足であり、有益な情報提供ではないため、内容の質や正確性に不十分な点があってもご容赦ください。

 

「トランジットビザ免除制度」を利用

2024年3月に「成田→上海→香港→成田」の旅をしました。その際、中国への入国に「トランジットビザ免除制度」を利用しました。

現時点では日本人の中国入国には基本的にビザが必要です。

しかし入国後に第三国に出国する場合はビザの取得を免除される制度があります。(諸条件あり)

当初はノービザ解禁を待って中国へ渡航しようと思っていましたが、解禁時期が不透明なのでこの制度を利用することにしました。

「久しぶりに中国に行きたい」→「上海へ行こう」→「第三国をどこにするか」→「航空券が安い香港にしよう」という流れで「日本→中国本土→香港→日本」の旅程を決めました。

 

情報収集と不安感

この制度は裏技ではなく当局が発表している公式の入国手段です。

しかしながら一般の旅行者はあまり利用しないため情報が少ないです。

webで調べても記載は少なく、YouTubeには複数の動画が投稿されていますが、内容に違いがあります。

運用も少しずつ変化していたり、ケースバイケースの側面もあるようです。

自分なりに分析して必要書類と念のため持っていく物を検討したうえで出発しました。

「一定の準備はしたからたぶん大丈夫、でも何が起こるかわからない国だから…」という不安感と緊張感で成田に向かいました。

 

成田でのチェックイン

最初の関門は中国入国審査でも日本出国手続きでもなく、成田での航空会社のチェックインです。

航空会社は渡航先での入国に必要な書類を確認できないと飛行機に乗せてくれません。

現在中国入国には基本的にビザが必要なので、パスポートを見せると「ビザはありますか?」と尋ねられました。

事前に考えていた通り次のように説明します。(もちろん日本語です)

①中国国家移民管理局のwebサイトの資料(日本語版)を見せて「この制度を利用します」と伝える(念のためJETROの資料も持って行った)

②「成田→上海、上海→香港の航空券(日本語版)」「上海の宿泊予約確認書(日本語版)」を提示

スタッフはこの制度を知らない様子で、PCで調べ始めました。

しばらく調べた後、他のスタッフと話しています。

カウンターに戻ってきて再度PCで確認作業。

その上で「144時間滞在できる制度で3日半滞在するということですね?」と尋ねられたので「その通りです」と答えます。

「すみません、要件がたくさんあるので全部確認していて時間がかかってしまいました」と言いながら搭乗券を渡されました。

「ご面倒をおかけしました」とお礼を言って完了。所要時間は15分でした。

制度を把握していなかったものの、要件をきちんと確認した上で搭乗券を発行してくれて感謝です。

 

日本出国

自動ゲートで通常通り出国

 

中国入国

①通常の入国カード(不要)

入国したのは上海浦東国際空港です。

通常の到着ルートで歩いて行くと、左に入国カード記入場所、右に外国人指紋登録機が並んでいる場所に着きます。

入国カードは通常の様式とは異なるトランジット専用のカードを記入する必要があるため、ここでは記入しません。

 

②指紋登録

指紋登録は「ここでは登録不要」という情報と「ここで登録した」という情報があって迷ったのですが、私はここで登録しました。

紙が出てくるので入国審査で提出します。

私の推測ですが、ここで登録すればそのデータを入国審査で使用するし、登録しなければ入国審査の際に登録作業を行うことになるので、どちらでもよいのではないかと思います。

私は入国審査の際に片手だけ登録作業をした後、反対の手はしませんでした。恐らく片手を終えたところで既に登録済みだったことに係官が気づいて中断したのではないかと思っています。(推測です)

 

③専用の入国カード

イミグレに進むと中国人は右へ、外国人は左へと別れます。

事前情報では一番左奥にトランジット専用の入国カード記入場所があると聞いていたのですが(私の勘違いかも知れません)、奥の方に人の気配はありませんし、専用のレーンもありませんでした。

近くのスタッフに「144時間トランジットビザフリーで入国したいのですが」と英語で尋ねると無言で後方を指で示されました。

その方向に行って別のスタッフに再度尋ねると、近くにあった専用の入国カードを渡されて「そこの記入台で書きなさい」と言われました。

「記入後は通常の外国人レーンに並べばいいのですか?」と尋ねると「そうだ」と。

これは深夜2:00頃到着だったためで、昼間は別のレーンができるのかも知れません。(推測です)

 

④入国審査

・専用の入国カードを記入したら一般の外国人と同じ列に並んで順番が来たら進みます。

・パスポート、入国カード、指紋登録の紙、「成田→上海、上海→香港(英語版+中国語版)」の航空券を提示します。

・係官の方から「トランジットビザフリーを使うのだな?」と言われ「はい」と答えます。「どこからきてどこへ行くのか?」との質問に「東京から上海に来て3泊してその後香港へ向かいます」と答えます。この係官は制度をよく理解している様子でした。

・前述の通り指紋を取りかけて途中で中止。

・入国審査のブースの後方を指差し「7分間そこで待ちなさい」と言われます。

・待機している間に次の人も同様の対応で私の近くに来ました。この方も日本人で同じ制度利用でした。

・別の係官が先ほどの係官からパスポートと書類を受け取ってこちらにやってきます。彼女は「上海だけ?」と尋ね「上海だけです」と答えました。(この制度を利用する場合は滞在できるエリアが限られているため、その要件を満たしているか確認したもの)

・係官は別室へ行き数分で戻ってきました。パスポートと出国カード(入国カードの半券)を渡され、「このカードは出国時に必要なのでなくさないように」と言われました。パスポートにシールが貼られていることを確認して、お礼を言ってバゲージクケームへ向かいました。

・宿泊予約確認書は手元に用意していましたが求められませんでした。(係官によると思います)

・中国入国経験がある場合、過去のパスポートを出せと言われた事例を聞いていたので、付箋をつけて3冊持って行き手元に用意していましたが求められませんでした。(ケースによるかもしれません)

・やりとりは全て英語です。

・1:20に降機してイミグレ通過は2:20でした。


中国出国

・航空会社のチェックインは通常通り。(行き先の香港入国に必要な書類はパスポートだけなので当然)

・イミグレでパスポート、搭乗券、出国カード(入国カードの半券)を提示。

・「トランジットビザフリーを利用したのだな。どこから来てどこへ行くのか?」と尋ねられ、「東京から来て、今日これから香港へ向かいます」と答えて手続きが完了しました。

 

香港入国、香港出国、日本入国

「トランジットビザ免除制度」に関する手続きはなく通常と同様

 

用意した書類

今回私が用意した書類は次の通りです。

・パスポート

・「成田→上海、上海→香港」の航空券(Trip.comの日本語版・英語版・中国語版)

・上海の宿の宿泊予約確認書(Booking.comの中国語版)

・中国国家移民管理局のwebサイトの制度に関するページのコピー(日本語版・中国語版)

JETROのwebサイトの制度に関するページのコピー(日本語版)

・過去のパスポート(最初に中国に入国した時以降の全てのパスポート、中国出入国のページに付箋)

 

ポイント

・大きな関門は、①「中国へ向かう飛行機のチェックインカウンター」と②「中国の入国審査」です。

・②は「中国に立ち寄って第三国へ抜ける」「決められた期間とエリアのみに滞在する」という意志と証拠をきちんと提示することが全てです。中国着と中国発の航空券と中国の宿の宿泊予約確認書が重要です。中国の係官は既にそれなりの件数を対応しているので制度を全く知らない係官は少ないと思われます。

・むしろネックは①だと思います。制度を知らないスタッフがいまだに多いと思われ、確認に時間を要したり最悪の場合は書類不備と思われて搭乗拒否の懸念もあります。中国当局が認めた制度で全ての要件を満たしており書類も揃っていることを説明して理解してもらう必要があります。

・そういう意味で、私は「日本→中国→第三国→日本」のルートにしました。日本の空港で日本語で①ができるからです。第三国で英語でこれをするのはハードルが上がりますので。

・いろいろ要件があるので、きちんと理解して慎重に準備する必要があります。

 

所感

・久しぶりに不安感と緊張感のある経験でした。

・ポイントはシンプルで用意する書類も難しいものはありません。

・しかし要件がそれなりに多いので読み落としや解釈間違いがないか、そして制度や運用が変わっていないかが心配でした。

・中国のビザなし解禁はまだ時間がかかるかもしれませんね。(不透明)

・一時期よりは普通のビザも取りやすくなったので、普通にビザを取るという選択肢もありかもしれません。

・調べて準備して実行する過程は謎解きのようで楽しかったです。

・私は一度経験できたので、またこの制度を利用するかもしれません。

 

※これで今回の「上海香港旅」のシリーズ記事を終了します。

 

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